相続の歴史(2)

相続問題

明治政府が始まった頃、華族や士族には長男相続制という制度が規定され、当然その地位も長男によって世襲されました。さらに、平民にも長男の家督相続制が規定されています。

女戸主を認めなかったわけではありませんが、あくまで例外的なものとされています。

そして、明治31年の民法制定により家制度が確立すると家督に当たる戸主権の制度が成立しました。戸主は前の戸主の権利財産の大半を受け継ぐことになりますが、遺産相続の権利は配偶者やその他の子にも存在しました。

これは以下の順序によって定められました。

改正前民法970条

  1. 直系卑属のうち、前戸主と親等が近い者
  2. 親等が同じ者は男子優先
  3. 親等と性別が同じ場合は嫡子優先
  4. 親等ノ同ジキ嫡出子、庶子及ビ私生子ノ間ニ在リテハ嫡出子及ビ庶子ハ女ト雖モ之ヲ私生子ヨリ先ニス
  5. 前4号の条件が同じ場合には年長者優先

と、見ればわかるようにこれは事実上長男相続を推奨したものとなっています。

(繰り返しになりますが・・・)今の感覚だとやはりちょっと考えにくい制度ですよね。

しかしこの制度も時代の変遷とともに徐々に変化していきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました