「年金分割」という言葉を聞いたことがありますか?
婚姻期間に納付した厚生年金を「夫婦共同で納めた年金」として分割する制度のことをいいます。
年金には大別すると3つの種類がありますが、この年金分割の対象となるのは、会社員・公務員が加入する「厚生年金」「共済年金」のみです。
まず3つの年金とは以下のものです。
- ①国民年金・・・日本国内に住む20歳から60歳未満のすべての人が国に納めるもの
- ②厚生年金・共済年金・・・会社員や公務員が国に納めるもの
- ③企業年金・・・各企業が独自に運営し、社員に対し年金を支給するもの
皆様も上記のうちどれかは支払われていることでしょう。
さて厚生年金・共済年金では、給料の額に応じて納める保険料の額が変わります。
保険料を多く納めれば当然保険金の給付も多くなります。
これにより、夫と妻で将来的に保険料の受給額に差が生じてしまうことになります。婚姻関係が老後も継続している夫婦であれば、入った保険料をともに使えば良いので問題はありませんが離縁してしまった場合、この受給額の差が問題となります。
ここで初めにお話した「年金分割」の出番です。
勘違いされやすいのですが、年金分割とは、「将来の老齢年金をわける制度ではなく、納付済みの保険料をわける」ものなのです。
要するに、離婚が決まった夫婦はこの年金分割を利用して厚生年金をわけることができるということです。
ただし、この年金分割を請求するには、「離婚が成立した日の翌日から起算して2年以内」と期限が定められているので注意しましょう。
次回はこの年金分割について、受給するための手続きを説明していきます。