統合失調症、早期性痴呆、アルツハイマー病。
こういった精神病は本人の意思とは無関係に不可抗力で罹患してしまい、かつ治療が長期にわたる可能性が高い病です。
本人が辛く苦しいというのは最早言うまでもありませんが、それを支える側も当然同様の気持ちになる場合もあるでしょう。
遂には「婚姻関係を解消したい」と思う配偶者の方もまたいるはずです。
その結論についてどうこう申し上げるつもりは毛頭ございません。
ただ、その結論にいきついた場合、「離婚事由として条件を満たしているか否か」というところについては専門家として話しておかねばなりません。
☆この記事で分かること☆
重度の精神病を患っている配偶者との離婚成立の条件
先に申し上げておきますと、精神病を理由とした離婚は非常に厳しいものだといえます。
というのも、それが認められるにはいくつかの条件を満たしていることが前提になってくるからです。
ざっと項目をあげると、
- ①相手が重い精神病を患っており、夫婦としてともに生活していくのが難しい状態であること
- ②医師の診断書などによって回復の見込みがないことが証明されていること
- ③長期間にわたって治療が行われていること
- ④これまで献身的に精神病の配偶者を看病していたことが客観的に認められること
- ⑤もし離婚が成立しても、精神病の患者が今後安定した生活を送れるようなサポートの意思・プランがあること
などです。離婚が成立したからといって病を患っている本人を見捨てることがないようにこのような前提条件があるわけですね。
もちろん、上記の項目を満たしていれば問題はありませんが、そもそも本人に離婚の意思があるのか、離婚の意味を本当に理解しているのかという部分も判断要素になってきます。
精神病を理由として離婚成立を目指そうとすると、お互いが肉体的・精神的に疲弊してしまい離婚どころではなくなる、というケースも見受けられますので、まず専門家である弁護士に相談してみるのがベストかと思います。