目次
「相続」についてなぜ知る必要があるの?
皆さん、こんにちは。九段下総合法律事務所です。
今回は「相続」に関する知識・情報を皆様にお伝えしていこうと思います!
「いやいや相続なんて自分には関係ないので、、、」
なんてページを閉じようとされているそこの方!
もう少しだけ待っていただけませんか?
実は「相続」とは生きていればほとんどの人が経験せざるを得ない手続きなのです。
とても悲しいことですが、生きていれば必ず大切な人との「死」と向き合わなければならない時がきます。多くの人が悲嘆し、長い時間を経てその傷を癒していきます。
その「死」に直面しているさなかでも行う必要のある手続きこそ「相続」なのです。
うっかり手続きを失念してしまったり遅滞してしまうと、場合によっては大きな負債を背負う可能性もあります。しかし、知ってさえいればそういったことも回避できますし、なにより突然相続問題に直面したとしても落ち着いて対処することもできますよね。
もちろん法律を介する重要な手続きなので、細かい部分は私たちのような弁護士がサポートさせていただく場合もあります。その際も、ある程度の知識が備わっていればスムーズにやりとりすることもできます。
相続とは、故人と行う最後の手続きです。
自分のため、そして大切な人のために一つでも二つでも多くの知識をお教えできればと思います。
知っておいて損はない相続。
法律を勉強中の方、興味がある方、 お暇な方(!)どんな方にも読みやすいように書いていきますのでラフなお気持ちで読んでいただければと思います。
さっそく次のページから相続について説明していきます!
生前相続って何?生前相続することのメリットは?
当事務所でも、特にご高齢の方などから財産整理、そして「生前相続」について相談を受けることが多くなっています。
みなさんは「生前相続」という言葉を聞いたことがありますか?
相続、と聞くと亡くなってしまった人のことを連想しがちですが、
相続には当事者が生きているうちに別の個人に財産を無償で渡すことのできる制度があります。では、質問です。
「なぜ生きている間に手続きをするのでしょうか?」
その答えは、「生前相続を行うことによって大きなメリットが発生するから」にほかなりません。
そのメリットとは、「税金対策」です。
亡くなる前に財産を渡すことで、相続税の課税対象となる財産を減らすことができます。
「それなら生前相続の手続き考えようかな~」
そう思った方!ちょっと待ってください。実はこのシステムを使えば、確かに税負担は軽くなりますが、気をつけるべきこともあるのです。
生前相続で注意すべき事。ポイントは「負の遺産」の有無
生前相続を話す前に理解を深めるためにも、前提にある相続税に関して基本的な知識をお教えいたしましょう。
相続税とは、亡くなった方の遺産を相続によって引き継いだ場合、また遺言によって遺産を引き継いだ場合にその遺産相続が規定の金額よりも多いときにかかる税金のことです。
その対象となる正の財産は以下の通りです!
【正の財産例】不動産、車、現金、宝石、債券、特許権等
はい、ここでちょっと何かひっかかった方。
なかなか鋭いですね。
「正の」財産。お察しの通り、正があるということはつまりその反対、「負」もあるということです。
では負の財産とはなんなのか。例をお出ししましょう。
【負の財産例】住宅ローン、借金、未払の税金、クレジットカードの未払い分、連帯債務、保証債務、損害賠償の債務
故人を悼みつつ、遺産処理をしようと蓋を開けたら多額の借金を抱えていた・・・
一気に血の気が引きそうな話ではありますが、実はこれ、かなりよくあるケースなんです。
ではここで質問です。
故人が負の財産を抱えていた場合、相続人はこれも引き継がなければならないのか。
その答えは、
もちろんそんなことはありません。ただしその場合は「相続放棄」という手続きを踏む必要があります。
相続放棄とは文字通り、引き継いだ財産を放棄する、という意味です。
前述したように、負の財産があった場合は正の財産でその分を相殺し、正の財産が残ればその分を相続する、といういわゆる「限定承認」という方法があります。
ただし、この手続きは相続人全員が限定承認を行う必要がある等の制約があるため、あまり一般的な方法ではありません。
相続放棄を行うにあたりとても重要な事項があります。
それは相続放棄手続きの期限です。
相続放棄は、相続開始を知ってから3か月以内に行わなければならないとされています。
相続人がすべて個人で手続きする場合は、然るべき必要書類をそろえて裁判所にて申述書の提出をしなければなりません。
もちろん個人で手続きを行うことは可能ではありますが、期限付きの上、なかなか骨の折れる作業のため弁護士に一任する方も多くいらっしゃいます。
道中なにかトラブルが起きてもすぐに相談・解決ができるのが、弁護士に一任するメリットの一つでもあります。
自分でやるか、弁護士に任せるかはこの際いったん置いておいて、
弁護士に状況の説明をし、それについてかかる費用だけでも聞いてみて再考するというのも一つの手です。
当事務所は、初回相談料無料になっておりますのでお気軽にお問い合わせください!
いつでも無料で弁護士相談!法律コンシェルジュサービススタート – 弁護士 伊倉秀知 オフィシャルブログ (kudanshita-law.jp)
さて、少し話が逸れてしまいましたが前述した前提を踏まえて生前相続について話してまいりましょう!
重複になりますが、生前相続をする大きなメリットとは節税対策です。
前頁で申し上げたように、相続税とは故人が遺してくれたすべての財産が課税の対象となります。
もしこれらを用意できなかった場合、財産を売却しても納税資金を調達する必要があるのです。
相続税を節税するには具体的に何をすればいいのか?
相続税を節税するには、財産の贈与を行うことが必須です。
被相続人の持っている財産をあらかじめほかの相続人に転移させることによって後に相続税としてかかってくる税金を減らそうという狙いがそこにはあります。
ただし、これを行うときは贈与税に気を付けなければなりません。
実は、財産を移転する際も場合によっては贈与税が課されてしまう可能性があります。
ただし、
①贈与税の配偶者控除・・・婚姻期間が20年過ぎた夫婦間では、居住用不動産の購入をするための現金の贈与は2000万までは控除できる
②住宅取得資金などの贈与・・・子や孫に住宅資金を贈与する場合は非課税
というような特例がいくつも存在します。
持っている財産や状況によって何が適用できるのかは異なるので、贈与をするべきか否かははっきりと申し上げることはできません。
しかしこの選択を誤るとかえって多くの税がかかってしまう可能性もある、というところだけはご注意ください。
ご自分で調べて理解することも当然大切ですが、税理士や弁護士などその道のプロに相談してみるのも一つの方法なのではないかと思います。
【関連記事】
弁護士 伊倉秀知(第一東京弁護士会所属)|note (離婚問題・労働問題について投稿しています)